イールダー(イールドのプラクティショナー)のトレーニングでは、できるだけ全方向に対して“気づいている”ことが大事、とよく言われます。知覚に死角がない状態…言うは易しでなかなか難しいのですが。
たとえば、目の使い方。中心視野ではなく周辺視野を使うこと。中心視野はどこか1点にギュン!とフォーカスする見方になるので、視野が狭まるだけでなく見られる側にも圧力がかかり、実際に目が合っていなくても身体を緊張させてしまいます。省エネで使える周辺視野に比べると、中心視野の見方は相当カロリーがかかるので疲れるし、そればかり使っていると心理面にもあまりよくない影響があるんじゃないかなと思ったりします。
そして実際目に見えない自分の頭頂部上や背後の空間に対しても、意識を向けておく。それは自分や受け手の身体を単に物質としてではなく、連続するひとつの空間として捉えているからです。
目だけで結構な文章量になってしまいましたが、同時に複数の感覚をできるだけ途切れさせず繊細に拾っていきます。
セッションの際、イールダーははたから見るとただ立っているだけに見えますが、こんなふうに自分の内部も含めた全方向に対して集中しています。その時の私の体感は、集中しているけど同時に拡散している…という感じで、もしかするとその集中は、万物流転の中の「今」という瞬間の頂点にい続ける、ということなのかもしれません。
…なんだか話が怪しくなってきましたが、イールドが座禅や武術、ヨガなどとの親和性が高いのはそういうことと関係があるのかもしれません。
「…かもしれません」という表現も、実は大事なポイントです。^ ^
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